運搬車両について
産業廃棄物収集運搬業許可をする場合には、船舶で運搬するケースも考えられるものの、通常は車両を1台以上登録することになります。
収集運搬は、産業廃棄物を外部に流出・飛散させてはなりませんので、廃棄物の性状に応じた適切な車両で運搬しなければなりません。
例えば、液状の廃棄物を運搬する場合にはタンクローリー等を使用することもあります。
もっとも、こうした専用車両を用意しなければ許可をとれないわけではなく、適切な容器を用いて運搬することで、軽自動車や普通自動車でも許可を取得することができます。
産廃許可申請にあたりどのような車両を準備しなければならないかについて、お客様よりよくご質問を頂くことを中心にまとめました。
登録できる車両に制限はない
車両は普通車はもちろん、軽自動車でも登録可能です。車検証に最大積載量の記載があれば、概ね登録に問題がないとみてよいでしょう。
ただし、東京都・埼玉県・千葉県のように、ディーゼル車の排出ガス規制がある自治体では、規制基準に適合した車両の用意が必要です。規制にかかる車両の場合には、粒子状物質除去装置を取り付けたことの証明書のコピーの提出が求められます。
また、許可申請の際にどのような廃棄物をどれだけ運搬するかを事業計画にまとめて提出することになりますが、液体を運搬するのにもかかわらず、荷室が全くない車両を登録する場合には、事業計画を作り直すように指示がされる可能性があります。
再委託を前提として許可申請をする場合もあるとは思いますが、まずは事業計画に適合した車両を用意するのが原則です。
中古車を使用する場合の注意点
産業廃棄物の運搬車両は役所のデータベースに登録されていますので、既に他社で車両が登録されている場合には重ねて登録することができませんので注意が必要です。
車両の必要台数
たしかに、貨物運送事業許可申請では最低限登録が必要な車両が定められていますが、産業廃棄物収集運搬業許可申請では最低登録台数は定められていません。ただし、埼玉県や千葉県のように、廃棄物ごとの運搬量の見積もりを事業計画書に記載しなければならない自治体では、事業計画に記載した運搬量と車両の台数のバランスは審査の対象となりますので注意が必要です。
つまり、がれき類を月間100トン運搬する事業計画を作成しつつ、中型ダンプ1台を運搬車両として登録すると、申請時に事業計画の作り直しを指示されてしまう可能性が高いです。
リース車両の注意点
車両を長期リースしている場合には、車両の使用者欄に自社の記載があれば、その車両を産業廃棄物の収集運搬車両として登録することができます。
しかし、比較的短期でリースを受ける場合には、車検証の使用者欄の記載を自社に変更することはできないのではないケースが多いはずです。しかし、収集運搬車両として登録する場合には、多くの自治体で少なくとも車検証の使用者欄に申請者に氏名又は名称が記載されていることを求めています。
運搬容器がなければならないケース
汚泥をダンプの荷台に直積する形で事業計画を作ってしまうと、許可証の汚泥の項目に「脱水済みに限る」の限定がつくはずです。
ですので、汚泥を運搬する場合で水密使用の車両・タンク付きの車両を用意できない場合には、蓋付きオープンドラム缶等で運搬する事業計画が必要です。